実績

■季節の写真 (過去の写真はこちら写真(c)木原浩

川澄むや 落葉の上の水五寸 太祇


写真家の木原浩先生に落ち葉の写真をご提供頂きました。


私の先祖は代々,群馬で農家をしていました。家はローカル線の終点駅から徒歩で2時間以上かかる山奥にある築200年の古民家です。昔はかいこ,こんにゃく,林業で生活が成り立ったようですが,祖父の代からは生業たり得ず,私の父も含めて誰も農家を跡継ぎませんでした。このまま誰も継がないままなのかと思っていたところ,数年前に叔父が戻り,先祖代々の土地で農業を始めました。叔父はブログで日々の農作業や販売実績などを書き込んでおり,毎日読んでいます。


その中の一記事にサツマイモの皮と落ち葉で堆肥を作る話がありました。少し引用します。

「干し芋作りをしていると、むいた皮をはじめとして、廃棄物が大量に出る。畑の隅に捨てるのが一番簡単だが、これだと絶好の餌になるので獣を招いてしまう。いろいろ悩んだすえ、たい肥にすることに。落ち葉かもみ殻と混ぜればたい肥にできるとわかったからだ。場所の候補は2つ。玄関前に掘った穴と、裏の水槽だ。玄関前の穴は、1年前、たい肥作りとともに、炭焼き用にもと思って掘ったものだ。この冬は炭焼きをするつもりだったが、車が通れる道の近くに雑木林がない。炭焼きはあきらめ。そうなると、玄関前の穴は何とも不都合。凍った地面が融けるのを待って埋めなおすことに。


そんなわけで、裏の水槽に向かう。ここも、数年、たい肥作りに使っていた。持て余していた新聞を放り込み、月形のコンニャク工場から運んだ土を入れ、落ち葉や生ごみを大量に重ねた。おかげで、表面は上質の腐葉土になっている。この中心部を掘りぬいてスペースを作り、そこで生ゴミたい肥を作ることに。とりあえずは水槽の外に掘った腐葉土を移動させる。堀り進むと、原形をとどめた新聞が出てくる。しかし、シャベルの先で、簡単に切断できる。紙粘土のよう。また、合間にものすごい数のミミズがいる。紙はミミズの好物なんだ。」

http://kajikadayori.at.webry.info/201701/article_27.html


山奥なので家の周りには栗やくるみなどが生えており,落ち葉には事欠かきません。先祖は落ち葉で堆肥作りをして春に備えたのかと思うと気が遠くなります。

(平成28年12月 神戸)