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離婚コーディネートサービスのニーズはあるか?

2014年1月7日|神戸 靖一郎|一般民事

Wevorceは、アメリカ発の離婚コーディネートサービスです。夫婦がWevorceに離婚のコーディネートを申し込むと、Divorce Architecs( テッククランチでは「離婚設計士」と仮訳されていますが、離婚コーディネータという訳はどうでしょうか。)が二人の間に立ち、財産分与、養育費、親権等について話合いを仲介します。少しひねりがあるのは話合いの過程をWevorceのソフトウェアがガイドする点で、これが売り物のようです。 サービスの主眼は離婚費用のコスト削減です。アメリカでは、夫婦双方に弁護士が付いた場合、離婚費用が高額になるのに対し(テッククランチの記事では3万ドル)、Wevorceでは1万ドルと安く上がる点にニーズがあるようです。

日本の弁護士である私から見ると、Wevorceのサービスは、裁判所の離婚調停そっくりに思えます。裁判所の離婚調停では調停のコーディネーターである調停委員男女2名が夫婦の間に入り、二人の意見を調整して行くという過程は、Wevorceのサービスとほとんど同じです。離婚調停では裁判官が調停の方向性をコントロールしているので、ソフトウェアによるガイドというひねりも目新しく感じません。 ここで日本の離婚制度を紹介します。離婚には、協議離婚と裁判離婚があります。協議離婚は夫婦が離婚で合意して離婚届を市町村に届ける方式、裁判離婚はその名のとおり裁判所で行う離婚のことです。 日本の離婚は、9割が協議離婚で、裁判離婚は1割程度です。協議離婚に弁護士が関与することは少なく、また、裁判離婚の中でも離婚調停には弁護士が付かないことが多いです。このブログの記事によれば、弁護士の関与率は離婚調停の4分の1、夫婦の一方だけに付くことを考えると1割強と推定され、全離婚事件における弁護士の関与率は1%とのこと。

弁護士を選任しない限り、協議離婚に費用は掛かりませんし、離婚調停の費用も多くて数万円です。弁護士関与率1%の日本と、多くのケースで双方に弁護士が付くアメリカとでは離婚に掛かる費用が違いすぎて、Wevorceのニーズを感じられません。

ニーズがあるとすれば、離婚調停では時間が掛かり過ぎる点と調停委員の質が一定ではない点でしょうか。ただ、夫婦の感情を冷ます意味で、時間が掛かることにも長所はあり、離婚コーディネーターの質も担保されるのか分からず、この点のニーズも大きくないように思います。

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