弁護団の不屈の活動-裁判と映画(4)

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「約束」を見て、筆者にとってとくに感動的だったのは、再審請求弁護団の不屈の弁護活動です。第7次再審請求では、弁護団は、奥西の自白による毒物「農薬ニッカリンT」を探すが、40年前に製造が中止されているため、困難を極める。しかし、若手の団員が得意のインターネットで情報提供を呼びかけ、ついに未開封のものの入手に成功。これを最新の技術で解析すると…。

また、弁護団は、奥西が「歯で開けた」というぶどう酒の王冠の歯型にも注目。すでに市販品はないため、町工場に2年がかりで依頼して王冠1800個を復元。10人の団員が、蓋をされた同型のビン10個ずつを時分の歯を使って開けてみる。その結果…。

2012年5月、名古屋高裁はいったん出された再審開始決定を取り消します。裁判所前に待機する支援者たちに向かって「不当決定」の垂れ幕を示す若い弁護団員の手は、怒りで震えている。鈴木団長は、記者会見で、声を詰まらせながら、捜査段階での自白のみを根拠に奥西に死刑を宣告し、それを維持し続ける裁判官ひとりひとりの責任を問いたいと宣言。同業者として、心中を察して余りあります(映画「約束」公式プログラムを参照し、適宜引用しました)。