夏を迎えて、心地のよい場所は?

1.夏の季節を迎え、心地の良い場所と聞いて幾つかの候補地が浮かんだ。人によって、心地の良い場所は千差万別であろう。涼しく、一人リラックスして、心静かに過ごせるところと言ったら、優等生の模範解答みたいで少し興ざめになるが、それでもこの効用は捨てがたい。何せ、モンスーンエリアにある日本で、東京という千数百万人の人がひしめき会う場所に住んでいるのだから、リフレッシュをはかれる場所は有り難いものである。

2.京都へは過去数十回訪れている。私のお気に入りは西本願寺である。いうまでもなく、浄土真宗の総本山として、信者のみならず観光客にも人気のお寺である。私が気に入っているのは、まず拝観料がないこと、御影堂や阿弥陀堂の渡り廊下や縁側が二間程もあること、とりわけ、縁側に着座して、庭の大銀杏を眺めると夏であれば涼しい風が心地よく、暫時の居眠りも出来ることである。ここで昔、コンビニで買ったおにぎりを食べたことがあった。親鸞聖人に怒られそうである。紅葉の時期は、大銀杏が色づき、巨大な黄色の山が出現する。敷地と建物が巨大なので、観光客の多さも気にならない。たまに読経の声が聞こえるが空間の巨大さに圧倒されてその声もか細く聞こえる。心をむなしくして座禅をするのも良いが正座も苦手であり、姿勢が悪く棒で叩かれるのもイヤである。気ままに座ってだらだらするのが最高のリラックスとなる。

3.夏のパリは、東京ほどではないもののやはり暑い。観光地の中でもサン・ジェルマン・デ・プレ教会はお勧めである。この教会は558年に創建されたパリ最古の教会である。建築様式はロマネスク様式と呼ばれるもので、ゴシック建築が多い教会の中で異彩を放っている。パリ6区のサン・ジェルマン・デ・プレ駅の直ぐ傍にありながら、観光客もそれ程多くなく静かで厳かな雰囲気を味わえるところに醍醐味がある。ひんやりとした空気に包まれ、昼でもステンドグラスから漏れ来る光で照らされるだけの薄暗い中で、椅子に腰掛けてボンヤリ過ごすのがこつである。ステンドグラスは暗闇の中でこそその価値がわかる。この教会には、「慰めの聖母像」や「フランシスコ・ザビエルの像」や絵画などが飾られているが第2次世界大戦中、ドイツ軍のパリ占領時にレジスタンスとして抵抗し、虐殺された人々も祀られている。その碑盤に刻まれた名前を見て、自由と独立のために戦った闘志達の気持ちに触れたような気がして、リラックスを超えて心に勇気を与えてくれる貴重な場所である。パリ観光の際には是非お勧めします。