油彩画とフランス語&ワールドカップ

1 本年の4月から毎日曜日に千代田区神田須田町にある絵画教室に通い始めている。デッサン、水彩画、銅版画、油彩画とあるが私が選択したのは油彩画である。絵などは中学生の美術の時間以来、実に46年以上もご無沙汰であったことから、どうなるやらと思っていたが、思いの外楽しいひとときを過ごすことができている。生徒は、若い人から私のような年配者も在籍しており、各自のテーマについて先生が指導をしている。デッサンをする人は若い人が多く、美大の受験生かと思われる。油彩画の醍醐味は、色を重ねて行きながら、モチーフを自分なりに表現することにある。下書きのデッサンも大事であるが、どのようなマチエールを生み出すのかは、その人の個性にかかるところがあって、実に奥深いものと思う。絵を見ることは若いときから好きであり、海外旅行先や国内の美術館へは比較的多く足を運んでいる。私のお気に入りの画家は、アルベール・マルケ、モーリス・ブラマンク、アンリ・ルソー、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、クロード・モネ、ポール・ゴーギャン、アンリ・マティスである。日本では佐伯祐三である。印象派より野獣派や素朴派と呼ばれる画家がどちらかというと私の好みである。絵の初心者であるが、風景画から出発し、人物画、そして静物画へと約10年計画で進もうと考えている。出発点の風景画では、アルベール・マルケを手本として画きたいと思っている。マルケは一時期、野獣派と交わったが、次第に独自の落ち着いたタッチの絵を多く描くことになった。彼の風景画の多くはパリの街、港や川などで、「水の画家」といわれているが、その落ち着いたタッチや構図・デッサンの確からしさは初心者の私には参考となる。

2 南フランスの地中海に面した漁村「コリウール」を描いたマティスやドランの作品がある。「コリウール」にはピカソも暫く滞在し、マルケにも「コリウールの眺望」という作品がある。彼の地には、地中海の碧い海と紅い屋根の建物があり、光と色彩が豊かで、画家の心を捉えたのも無理はない。ここには日本人が経営する小さなレストランがあると聞く。是非行ってみたい所である。ある程度フランス語が喋れれば、旅行も楽しくなると思い、急遽、絵と並行してフランス語も勉強することにした。43年前、大学の第2外国語はドイツ語であった。NHKの毎日フランス語という教材を使用しているが、この教材は、文法は最小にして、とにかく話せることに重心を置いており、私のような超初心者にとっては大変有用である。フランス語の数字は60までは、10進法による読み方になっているが、70から79までは60に10から19を足して数えるという妙な形となる。80は4×20となる。急に20進法に変化するのである。識者によれば、ベルギー、スイスでは10から90までは完全な10進法になっているという。石原元東京知事がフランス語の数字の読み方について、クレームをつけていたが、そのような読み方になったのには、何らかの理由があると思われる。○○朝のルイ王がそのような読み方を定めたとか様々な俗説が紹介されている。故阿部謹也先生の著書である「中世賤民の宇宙」という本では、西洋中世の時間、空間、モノのとらえ方が紹介されている(因みに阿部先生は、ヨーロッパ中世史の専門家である)。中世の世界では具体的な生活のリズムから、様々な時間・空間意識が形成されていたとされる。私の解釈では、昔は70まで生きる人など殆どいなかったし、日常生活で70以上の出来事を細かにあらわす必要がなかったのではないか?すなわち、中世は現代の日本社会のような高齢社会ではなく、石原氏のような後期高齢者は殆ど存在していなかった。70以上は数字も含め、文化的に格別の配慮をする必要がなく、70以上はあり合わせで構成すれば十分であったと考えたのではないか。古代のシュメール、バビロニアの60進法に10進法、20進法が混在したものがフランス語であると考えると歴史の雰囲気も感じることができる。このような様々な要素が混在するフランス語は、様々な色彩が交わる油彩画と妙に相性が良いと思うのは私だけであろうか。

追記
ワールドカップの試合がブラジルで始まった。私は、中学生の頃サッカーをしており、我がチームは川崎市の大会で優勝をしたことがある。当時の私のポジションはCF(センター・ハーフ)といい、今のMFである。2002年の日・韓ワールドカップの当時、司法研修所で民弁の教官をしていたおり、「皆さん、早く家や寮に帰って見て下さい」と言って、午後の講義を少し早く終わらせたことを懐かしく思い出す。日本チーム!頑張って下さい。応援しています。

以上