就労の機会を奪われ…-新疆ウィグル自治区を旅して(4)

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7月3日(水)に1泊した塔中は、ホータンから国道315号線を300キロほど東進し、途中から「タリム砂漠公路」を200キロ北上した、砂漠のど真ん中にあります。国有巨大企業の中国石油天然気集団公司が、付近一帯の豊富な石油油田を開発・管理するために数年前に造成した町で、ホテルは、かつてのアメリカ・西部開拓地の木賃宿という感じ(隣の建物は荒くれ男たちのためのフウゾク店)。

「タリム砂漠公路」は、同公司が建設した、砂漠を南北に縦断する全長約500キロの直線道路。その工事には貧困省からの出稼ぎ農民が大動員されました。石油施設の建設後は、その維持管理にも多数の単純労働者を必要としています。しかし、地元から見れば絶好の就労機会の到来にもかかわらず、周辺のウィグル族は採用されていない。宗教に起因する生活習慣や食生活の違いで漢族との共同作業が困難というのが、差別の理由とされているようです。

砂漠公路の両側10メートルは、砂防のためのグリーンベルトで、タマリスクなどの潅木が植樹されている。気温が40度を超え、雨がまったく期待できない中でグリーンベルトを維持するためには散水が不可欠で、5キロ毎の道路脇にポンプ小屋が設置され、ディーゼルエンジンでくみ上げられタンクに貯えられた地下水を、細いビニールパイプによって定時に散水する。散水弁を開閉するため、小屋には、3月から10月の酷暑期に泊り込みの人員(多くは夫婦)が配置される。これもウィグル族の就労のチャンスになるはずですが、同公司は、自治区外の出稼ぎ漢族だけを使用。小屋ではTVもラジオも届かず、食料などの必需品は公道経由で公司のトラックが運びます。

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