映画に描かれた中国の裁判(3)

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映画「再生の朝に」の舞台は、河北省(特別市の北京と天津を囲む地域)の北部の小都市。「たたき上げ」で裁判官となった初老のティエンには一人娘がいたが、盗難車によるひき逃げで事故死。「堅物」で融通がきかないティエンに恨みを持つ者の犯行らしい。妻は希望を失い、離婚したいという。 ティエンを裁判長とする法廷で、自動車2台の窃盗を働いた若者(チウ)の公判が始まる。その時点の刑法は、窃取した財物の価格が3万元(現約45万円)を超える場合の法定刑を死刑としているが、改正法では、窃盗罪の死刑は廃止されている。しかし、「法」を曲げようとしないティエンは、改正法が未施行であることを理由に、特段の減刑事由がないので死刑とすべきであると主張。これが合議体の結論となり、チウに死刑判決が下される。

地元の高額納税者のリー社長(40代?)は、腎臓が悪く透析を受けている。そこに弁護士が現れ、死刑判決を受けたチウの血液がリーと適合しているので、死刑執行後、直ちに移植を受けるという計画を持ちかける。弁護士は、チウの母に巧みに持ちかけ、10万元の支払い約束と引き換えに、チウの腎臓をリーに提供することの同意書を取る。獄中のチウも、最後の親孝行として同意書にサインする(ただし、中国でも臓器売買は法律で禁止されているので、金銭の支払いは書面化できない)。

映画に描かれた中国の裁判(4)に続く