面会交流をサポートするウェブサービス

The our familiy wizard は,アメリカ発の別居/離婚した夫婦間における子どもの監護と面会交流をサポートするウェブサービスです。面会交流の日程調整,元夫婦間の伝言機能,支出管理,子どもの写真などのファイル保存・交換などの機能があります。

このサービスが成り立つ背景には,面会交流の実施によって元夫婦・子どもに強い心理的負担が生じる点があります。

面会交流( visitation )とは,父母が別居/離婚した場合に,子どもと同居していない父又は母と子との面会及びその他の交流のことを言います(離婚について民法766条)。子どもと同居している父又は母から見れば,子どもを元夫・妻と会わせる訳ですから,そこには感情的な葛藤が入ります。特に,協議離婚できず調停・裁判離婚になった事案ではこじれにこじれており,顔も見たくない・関わり合いになりたくないといった関係になっていることがよくあります。

こうした事案で面会交流を実現しようとすると,お互いに不愉快な思いをしながら我慢して行うか,第三者に面会交流の一部又は全部を委託するしかありません。

面会交流の実施について,どの段階まで第三者が関わるかは,面会交流の回数と元夫婦間の心理的葛藤の強弱次第です。関与する第三者としては,弁護士,親族,友人知人がほとんどですが,面会交流仲介サービスを有料で行っているNPO法人もあります。仲介サービスの内容は次の3種類です。

1 面会交流の日程調整
2 子どもの受渡し
3 面会交流の付添

あるNPO法人の料金設定では,1が5000円以上,2が1万0000円以上,3が1万5000円以上であり,フルコースで依頼すると1回3万0000円以上となりますが,元夫婦間の感情的対立に巻き込まれるリスクを考慮するとそれ程高くはないという印象を持ちました。弁護士に依頼しても同水準の報酬になるのではないかと思います。

The our familiy wizardに話を戻すと,このサービスは面会交流仲介サービスの第1段階を担うものです。ニーズの存在は以上に述べたとおりですが,WEBサービスであることのセールスポイントは,人間が介在しないことと価格です。面会交流は家庭内の行為なので,できれば他人を入れたくないという気持ちは当然です。価格は一人年間99ドルなので,元夫婦で198ドル必要になりますが,先の料金体系と比較すれば割安と考えられます。

私も面会交流の日程調整サービスがないかと探してこのサービスにたどり着いたのですが,残念ながら日本語には対応していませんでした。日本でも十分受け入れられるサービスだと思いますが,日本では面会交流仲介サービスが大々的に行われているわけではないので,サービスの価格が根付いていません。そのため,The our familiy wizardの料金設定は割高に感じるのではないでしょうか。

隣の芝生は青い? という名の離婚支援アプリ

“The Grass is Greener.”とは,1960年代のアメリカのコメディドラマです。直訳すると隣の芝生は青い,他人の物はよく見えるという意味で,物語は,自分たちのお城を観光客に案内して暮らしている夫婦の元に,石油王が訪れて,恋の三角関係に陥る…。よくありそうなプロットですが,この名を冠したスマートフォンアプリがリリースされているのを見付けました。

http://blog.larrybodine.com/2013/12/articles/tech/law-firms-new-app-helps-you-decide-about-divorce/

このアプリは,離婚を考えている人の決断を支援するサービスです。アプリはたくさんの質問をします。あなたが,その質問にはい又はいいえで答えると,離婚した方がいいとか悪いとか,どういう点に気を付けて生活すればいいか,を教えてくれます。

これをリリースしたのは,アメリカ合衆国のミネソタ州にあるGreen Law Office。家族法を専門とする法律事務所で,彼らは宣伝の一環としてこのアプリを作ったそうです。

質問の数は結構多く,答えるのに私はちょっと疲れました。もちろん,今のところ,私は離婚も考えていないですしね。